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駆け出し小説家が選ぶ今週の1冊

アドラーとソクラテスに相反する存在【逆ソクラテス】

どうも~揚げたサンドイッチです~ こん晩餐会

 もう早、12月の中旬ですね~来週はクリスマス

 皆さんは恋人と過ごされるのでしょうか?

 残念ながら僕は、今年もおひとり様で過ごすクリスマスとなりそうです(笑)

 なので例年通り、街の雰囲気がクリスマスに向けて変わってゆく様を一人楽しむとしましょう。

 さて今回の独り言も、いつも通り伊坂幸太郎先生の作品についてです。そして、今回の作品は、僕が愛していたアドラー心理学に近い思想を含んだ作品となっていたので、僕は読んでいて深く共感でき、久々に人間心理について考え直す時間が生まれました。

そんな作品の名は「逆ソクラテスです。

 ちなみにソクラテスは、哲学の祖とも呼ばれ有名な(無知の知)を伝えた、哲学者です。

 この物語は、様々なシチュエーションでソクラテスの逆の思想を持つ人間たちに立ち向かう短編集となっております。

ソクラテスの思想とは?

 哲学者ソクラテスの思想とは、善いということがどういった状態かという(知徳合一)の思想となります。知徳合一とは知性があることで善いこと、悪いことの分別が付くことが、魂を善くできるという意味です。ちなみに、アドラー心理学でも善い状態とは何かと触れられていることもあり、この点が冒頭でも述べた、アドラー心理学のような思想も用いられた作品だなと感じた点です。

 哲学と心理学の思想は別物では?

 実は、心理学はもともと哲学の中にあるジャンルの一つだったんですよね。それが独立し心理学となっていったので共通の思想があってもおかしくはないと思います。

 そして、逆ソクラテスはこの知性がまだなく、善い事と悪い事の分別が付かない大人や子供が登場します。また、知徳合一の思想以外に先入観、偏見、プライドといった伊坂幸太郎先生お得意の、複雑な人間心理も描かれていました。そういった意味では、心理学と哲学が融合された作品だったなと今思い返します。

【個人的な感想】

 やはり、こういった人間心理の思想を用いた作品は、人間の弱さや醜さを強く感じるので読んでいて、人間嫌いが進みそうになります(笑)

 ただ、そういった悪い面だけをこの作品で描いていたわけではなく、逆ソクラテスの思想を持つ人間に一泡吹かせたり、逆ソクラテスの思想を破ることができた人間の表現もされているので、最後は気持ちよく読み終えれます

【最後に】

 お疲れ様です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 今回もいつも通り、伊坂幸太郎先生の作品を読ませていただきました。そして、ブログを書くにあたってソクラテスや哲学について調べていたら、えらく時間がかかってしまいました(笑)ただ、その分内容を濃く出来たのではないかなと思っております。

 次回は、今読んでおります(死神の浮力)について呟こうかなと思います。最初から胸熱な展開があったので最後まで読み進めるのが楽しみです。

では、次もまた読んでみてくださいね。サラダバー

逆ソクラテス (集英社文芸単行本)

逆ソクラテス (集英社文芸単行本)