age_3d1の書庫

駆け出し小説家が選ぶ今週の1冊

人事を尽くし天命を待つ。だから、今日も一つ積み上げる

人事を尽くし天命を待つ僕が最近学んだお気に入りの言葉です。

 意味は、全力で物事に挑めたら、結果はどうなっても構わないという感じなのですが、僕の目指す人生の在り方にぴったりなんですよね。

自分の打ち込みたいことに人生を賭けて打ち込んでみる、いい結果もあるだろうし、はたまた大失敗で終わることもある。 だけど、時間をかけて積み上げてきたものは目には見えませんが確実にそこにあると思います。僕はその積み上げてきたものがあるだけで挑んだ価値を感じると同時に、人生をそういう風に捉え続けれるように生き続けたいです

 だから僕は今日も人事を尽くします。天名が下るのは3年後位でしょうけど(笑)

さて、今週も書庫から持ってきた1冊はゴールデンスランバーです。

仙台市で行われた首相のパレード、その状況を様々な方法でで眺める人々。そんな日本中が注目している最中、首相は爆弾により暗殺される。容疑者に絞られたのはたった1人の男、青柳雅春。身に覚えのない罪をかけられた彼の二日間に渡る壮絶な逃走劇が待つ結末とは。

 【今回の舞台】

 今回の物語は、1,963年にケネディ大統領が暗殺された事件に照明を当て、現代よりも少し発展させた近未来感のある世界を舞台で再表現されています。

 【物語の構成】

そして、今回も面白い物語の構成になっています。

  • 1章主人公とは関係のない視点から物語は始まります。この視点は、首相暗殺の始まりから事件の終わりまでの2日間を第三者視点つまり、視聴者視点で展開されます。
  • 2章:次の展開が事件から20年後の視点です。事件が終わりほとぼりが冷め過去の話のように事件が起きた結果が何が起きたかが羅列されます。
  • 3章:メインとなる、主人公の逃走劇です。ここで物語の裏側を見ることができ全貌を知ることができます。
  • 4章:事件が終わった3か月後の視点で登場人物たちの首相暗殺事件のその後となっています。

 事件の始まりから終わりの表立った流れを書いてから、裏方(カラクリ)をその後に持ってくる物語の展開はラッシュライフの構成と似たものを感じました。

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 こういった展開の構成は、物語の後になれば最初に書かれた表立った事件の流れが味を出し「あー、あの時のセリフはここに繋がるのか!あの時裏側ではこんなことがあったんだ!」と読み手を驚かせるには使い勝手のいい表現だなと感じました。

 【駆け出し小説家からの視点】

 この作品はミステリーを軸火星に住むつもりかい?で表現さていたような社会のシステム(法律)や政治家に対する疑問や批判を含めたエンタメ的表現と殺し屋シリーズなどで用いられているような、過激かつ臨場感あるハードボイルドなシーンも多々あり伊坂幸太郎先生の様々な作品の味が詰まっていていました。

また、人間が見せる優しさに温かい気持ちになったり、手に汗握るようなバトルシーンや展開はハラハラ感を持ったまま物語を読み進めるので、早く早く先が読みたいという気持ちが高まりました。

 そして、タイトルにもある通りビートルズゴールデンスランバーの歌詞が節々に用いられており、過ぎ去りし過去に対する懐かしさや羨ましさが表現されています。

 僕も実際にゴールデンスランバーを聞いてみたのですが、ゆったりとしたテンポで休日の昼間に聞くのがぴったりな曲調でした。また、聞いたことで少しノスタルジックな気持ちにも浸ることができ、作中の主人公の気持ちが分かった気がします。

Once there was a way to get back homeward・・・

Once there was a way to get back home・・・

だけどもう昔には戻れない。だから、人事を尽くし前に進む

【最後に】

お疲れ様です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回の作品は、今までの読んできた作品の集大成のようにも感じました。出版の時系列はわからないのですが(笑)それほど、読み応えのある要素が山盛りでこの本一冊で学べることが多いのではないかと思います。

さて、次はどの本引っ張り出してこようかな~、全然決まってないので来週のお楽しみにしときましょうか

それでは、さらばだ~